バーコードリーダーの「CCD」「レーザー」「イメージャー」の違いとは?
仕組み・選び方とおすすめ製品

バーコードリーダーの仕様表にある「CCD方式」「レーザー方式」「イメージャー方式」。どれを選べばよいか迷う方は多いのではないでしょうか。

3つの違いは、読み取りの仕組みです。どんな光を当て、どんなセンサーで反射光を受け取るかが異なります。

方式による性能差はかつてより小さくなりました。それでも、照射光の見え方、スマートフォン画面の読み取りやすさ、2次元コードへの対応には、今も原理上の違いがあります。本記事では、各方式の仕組みと違い、用途に合った選び方を解説します。

バーコードリーダーの基本構造|投光と受光のメカニズム

バーコードリーダーは、光を当てる「投光部(光源)」と、跳ね返った光を電気信号に変える「受光部(センサー)」でできています。

光を当てる光源の違い:LEDとレーザー

光源には主に「LED」か「半導体レーザー」が使われます。

LEDの光は広がりながら進む「拡散光」です。近距離を広く均一に照らせる反面、照射ラインの輪郭はやや太く、ぼやけて見えます。

レーザー光(赤色なら約650nm)は直進性が高く、レンズで細く絞り込めます。照射ラインがくっきり見えるため、どこを狙っているかがひと目でわかります。

光を受けるセンサーの違い:1点・ライン・エリア(面)

受光素子は大きく3種類です。どれを使うかで、読み取れるのが「線」か「面」かが決まります。

  • 単一フォトダイオード(1点):
    反射光の強さを1点で捉えます。レーザー光を左右に振り、白黒の濃淡を時間の変化として検出します。
  • ラインセンサー(CCDまたはリニアCMOS):
    受光素子が直線状に数千個並び、1ライン分の明暗を一度に受け取ります。
  • エリアセンサー(CMOSイメージセンサー):
    デジタルカメラと同じく、受光素子が縦横に並びます。視野全体を画像として捉えるため、どの向きのコードも2次元コードも読み取れます。

主に1次元コードで活躍してきた「CCD方式」と「レーザー方式」の違い

JANコードやCode 128などの1次元バーコードの現場で、長年主流だったのがこの2方式です。

CCD方式(LED光源 + CCDラインセンサー)の特徴と仕組み

CCD方式は、赤色LEDで照らしたバーコードの反射光を、レンズでラインセンサー上に結像させて読み取ります。

内部にモーターやミラーなどの可動部品がないため、落下や長期使用でも部品がずれにくく、耐久性に優れます。得意なのは手元や近距離での読み取りです。

なお、受光部にCMOSのラインセンサーを使う「リニアイメージャー方式」もあり、仕組みはCCD方式とほぼ同じです。

レーザー方式(半導体レーザー + フォトダイオード)の特徴と仕組み

レーザー方式は、半導体レーザー、光を左右に振る振動ミラー、1点で受光するフォトダイオードで構成されます。

レーザー光を毎秒数十〜数百回往復させ、黒いバー(光を吸収)と白いスペース(光を反射)の反射量の差を読み取ります。

光が細く広がりにくいため、離れた位置からでも照射ラインがくっきり見えます。横幅の広い物流ラベルや、少し離れた棚のコードを狙って読む用途に向いています。

CCD方式とレーザー方式の比較表

比較項目 CCD方式 レーザー方式
主な光源 赤色LED(約630nm) 赤色半導体レーザー(約650nm)
受光部 ラインセンサー(素子が直線に並ぶ) 単一フォトダイオード(1点)
内部の可動部 なし あり(振動ミラーなど)
照射光の見え方 太く、ややぼやけた赤い帯 細く、くっきりした赤いライン
スマートフォン画面 機種によっては読み取れる 原理的に読み取れない(または非常に困難)
得意な距離 手元〜数十cm(タッチ読みが得意) 数十cm(離して狙う読み方が得意)

スマートフォン画面のバーコードをレーザー方式で読めない光学的理由

会員証や電子チケットなど、スマートフォンの画面を読む場面が増えています。しかしレーザー方式では、基本的に画面のバーコードを読み取れません。故障ではなく、原理上の制約です。

レーザー光と液晶表面の正反射・偏光フィルターによる影響

最大の理由は、画面のバーコードが「画面自身の光」で表示されていることです。

レーザー方式は、紙に当てた光の反射量の差でバーとスペースを見分けます。ところが画面の白黒は、画面が発する光の明暗で作られています。レーザー光を当てても反射量にはほとんど差が出ないため、白黒を判別できません。

さらに、画面のなめらかなガラスは光を鏡のように一方向へ跳ね返し(正反射)、受光部に適切な光が戻りにくくなります。液晶画面の場合は、内部の偏光板がレーザー光を吸収しやすいことも影響します。

CCDやCMOSイメージャーが液晶画面を読める理由

CCDやCMOSイメージャーは、本質的には「カメラ」です。画面が発する光の明暗をそのまま像として捉えるため、反射光に頼らず読み取れます。

ただし、自機の照明がガラスに反射すると像が白く飛んでしまいます。そのため機種によっては、照明を調整する液晶画面用の読み取りモードを備えています。

バーコードリーダー業界でいう「イメージャー」とは?

カタログで単に「イメージャー」と書かれている場合、一般的には「2次元CMOSイメージセンサーを搭載した2次元コードリーダー(エリアイメージャー)」を指します。反射光の波形を拾う従来のスキャナと区別し、「カメラのように画像で捉える機器」の呼び名として定着しています。

CMOSイメージセンサーとLED照明による画像認識の仕組み

イメージャーは、照明用LED、CMOSイメージセンサー、画像処理エンジンを内蔵しています。トリガーを引くと照明が対象を照らし、撮影した画像をプロセッサが解析します。

QRコードなら、3つの角にある位置検出パターン(切り出しシンボル)から傾きを認識し、射影変換で歪みを補正します。汚れや欠けがあっても、リード・ソロモン符号の誤り訂正で復元できます。

1次元バーコードも画像として読むため、向きを合わせる必要がなく、360度どの角度からでも読み取れます。

グローバルシャッターと動体歪みへの耐性

CMOSセンサーの露光方式には2種類あります。

  • ローリングシャッター:
    上から1行ずつ順に露光します。動く物を撮ると像が歪み、読み取りエラーの原因になります。
  • グローバルシャッター:
    全画素を同時に露光します。業務用イメージャーに多く、たとえばXenon Ultra 1960G/1962Gもこの方式です。

グローバルシャッターなら、手ブレがあるときやコンベア上を荷物が流れるときでも、歪みの少ない画像で素早く読み取れます。

読み取り方式の現在地|「方式による性能差」が縮小している背景

かつては「手元ならCCD、離して読むならレーザー、QRコードならイメージャー」という役割分担がはっきりしていました。現在は技術の進歩で、その差が大きく縮まっています。

ロングレンジCCDの登場とCMOSの高感度化

多画素のラインセンサーと強力なLEDを組み合わせた「ロングレンジCCD」により、CCD方式でも数十cm離れたバーコードを読めるようになりました。

また、スマートフォンの普及でCMOSセンサーの量産が進み、感度と処理速度が向上しました。1次元バーコードも高速に読める2次元イメージャーが、手頃な価格で手に入ります。

可動部を持たない「ソリッドステート設計」の耐久性と長寿命化

レーザー方式からイメージャーへの切り替えが進む大きな理由が、耐久性です。

レーザー方式の走査ミラーは、落下の衝撃でずれたり、長年の動作で劣化したりするリスクがあります。CCDやイメージャーには、走査ミラーのような機械的な可動部がありません。過酷な現場でも故障しにくく、保守のコストを抑えられます。

超ロングレンジもカバーする最新のデュアルレンズ技術

フォークリフトに乗ったまま高所のパレットラックを読むような長距離の読み取りは、以前はレーザー方式の独壇場でした。

現在は、近距離用と遠距離用の光学系を組み合わせ、1台で手元から遠くまで読める産業用イメージャーが登場しています。たとえばハネウェルのGranit Ultraシリーズは、XRモデルが0cmから最長10m、XLRモデルが最長24m(バーコードにより異なる)に対応します。

現場課題・用途別のおすすめバーコードリーダー

現場の条件別に、株式会社エイポックのおすすめ製品を紹介します。

手元作業・コストパフォーマンス重視なら「CCDタイプ」

レジや受付など、手元で1次元バーコードを読む現場には、導入コストを抑えやすいCCDリーダーが向いています。

AC-890 CCDタッチバーコードリーダーは、本体約60g(ケーブル含まず)のスリムなモデルです。タッチ読みと離し読み(0〜120mm)に対応し、スマートフォン画面や医薬品のGS1データバー限定型も読み取れます。

F780BT-GV ワイヤレスバーコードリーダーは、毎秒500スキャンの高速なロングレンジタイプです。UPC/EANを最長609mmまで読み取れ、かすれた低品質なバーコードにも強いのが特長です。Bluetooth接続で、最大100m(専用クレードル接続時)離れて使えます。

長尺コードの視認性・ピンポイント照射なら「レーザータイプ」

密集した伝票のバーコードや、横幅の広い物流コードを狙って読む現場には、レーザースキャナが今も根強く支持されています。

Voyager 1250g バーコードレーザースキャナは、ハネウェル製レーザーを搭載した定番機です。ボタンを押したときだけ読む設定にすれば、密集したラベルから目的のコードだけを選べます。

LS2208 バーコードレーザースキャナは、ガンタイプの定番モデルです。JANコードを最長約60cmまで読み取れ、高密度なGS1-128にも対応します。

QRコード・スマホ決済・文字認識(OCR)まで幅広く対応する「イメージャータイプ」

QRコードでの決済・受付、医療用医薬品のGS1合成シンボル、賞味期限の文字読み取り(OCR)などには、2次元イメージャーが標準的な選択肢です。

AC-2D202K2B 2次元バーコードリーダーは、手頃な価格の2次元モデルです。液晶画面用の読み取りモードを備え、医療用医薬品の「GS1データバー限定型合成シンボル(CC-A)」の読み取りとデータ編集にも対応します。

Xenon Ultra 1960G / 1962G 2次元スキャナは、Xenonシリーズの最新モデルです。有線(1960G)とBluetooth無線(1962G)があり、汚れたコードもすばやく読み取ります。ソロモンOCR搭載モデルなら、賞味期限や伝票番号の英数字もパソコンに直接入力できます。アルコール消毒など薬品での清掃に対応したヘルスケアモデル(1960H/1962H)もあります。

倉庫・極限環境で高所ラックを狙う「堅牢型工業用イメージャー」

物流倉庫、製造工場、冷凍倉庫などの過酷な現場には、産業用の堅牢なモデルが必要です。

Granit Ultra 2100i(有線) / 2105i(無線)工業用バーコードリーダーは、IP65/IP68の防塵防水性能と、3m落下(25℃、MIL-STD-810G準拠)に耐える堅牢性を備えます。XRモデルは0cmから最長10m、XLRモデルは最長24m(バーコードにより異なる)に対応し、フォークリフト上から高所のパレットラベルも読み取れます。有線モデルは-30℃〜50℃で動作し、冷凍倉庫でも使えます。

現場のポカヨケ・両手作業を支える「小型データコレクタ・ウェアラブル」

棚卸しやピッキング、誤出荷を防ぐ照合作業(ポカヨケ)には、小型のデータコレクタやウェアラブル端末が役立ちます。

KDC280-PY5 照合専用バーコードデータコレクタは、PCにつながずに、本体だけでコードの一致を判定できる2次元対応モデルです。1対1、1対多など10種類の照合モードがあり、結果を画面の○・×とエラーブザーで知らせます。

KDC185 小型ウェアラブル・Bluetoothバーコードリーダーは、約35gの超小型モデルです。リングトリガーや作業用グローブと組み合わせれば、両手が自由な「ハンズフリーピッキング」ができます。

まとめ|実機デモ機による事前検証のススメ

方式ごとの向き不向きは、次のとおりです。

  • CCD方式:
    近距離中心で、導入費用を抑えたい場合
  • レーザー方式:
    密集したバーコードから、目的の1本を狙って読みたい場合
  • イメージャー方式:
    QRコード、スマートフォン画面、OCRまで幅広く対応したい場合

ただし読み取りやすさは、ラベルの印刷方式や表面の光沢、照明、作業動線によっても大きく変わります。

エイポックでは、購入前に実際の現場で読み取りテストができる無料デモ機貸出サービスを行っています。どの方式・機種が合うかお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。

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