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GS1-128の概要
GS1-128はバーコードCode128を元に、一定の規則で表示したバーコード規格です。以前はUCC/EAN-128と呼ばれていました。
GS1-128のバーコード形式は規格化されていますが、表示項目は産業や企業によって異なっています。日本では医療用医薬品、医療機器、牛肉の追跡管理、コンビニの代金支払伝票などに使用されています。
GS1-128の例
GS1-128の関連規格
- JIS X 0504 : 2003 バーコードシンボル-コード128-基本仕様、ISO/IEC 15417 : 2000
- JIS X 0530 : 2003 データキャリア識別子(シンボル体系識別子を含む)、ISO/IEC 15424 : 2000
- JIS X 0531 : 2003 情報技術-EAN/UCCアプリケーション識別子とFACTデータ識別子,及びその管理、ISO/IEC 15418 : 1999
- GS1 General Specifications (海外。GS1総合仕様書)http://www.gs1.org/genspecs
GS1-128の概要図
GS1-128の特徴
- Code128のスタートキャラクタの次にFNC1(Code128のFunction1)があります。
- データには「AI(Application Identifier、アプリケーション識別子)」が含まれます。AIは2桁~4桁の数字です。
- AIはAIに続くデータフィールドの属性(有効期限・使用期限など)を示しています。
- 各AIの意味・内容はGS1 General Specificationsで定義されています。
- AIはAIに続くデータフィールドの桁数を定義付けしています。
- データフィールドの桁数には固定長と可変長があります。
- 可変長のデータの終端にはFNC1が付加されます。ただし、可変長のデータが「最後のデータ部」となる場合には、FNC1は付加されません。
- AIは、バーコードの下部などに括弧( )でくくられて表示されています。括弧( )はバーコードキャラクタには含まれていません。
- 「スタートキャラクタ」「チェックデジット」「ストップキャラクタ」は目視確認文字としてラベルに表示・記載されません。
- 「スタートキャラクタ」「チェックデジット」「ストップキャラクタ」はデータ出力しません。
- 注意 AIの定義が固定長の場合でも、一部のAIは後にデータが続くならデータの後に可変長区切りに使うFNC1を置きます。例えば(7003)が10桁固定ですが、後にデータが続くなら10桁の後にFNC1を置きます。「・・・(7003)10桁 FNC1(10)データ・・・」となります。(参考文献:GS1 General Specifications Version 13.1、Figure A1 – 2. Element Strings with Pre-Defined Length Using Application Identifiers、p368~p369)
- 48桁を超える場合は2段のGS1-128で表示する(参考文献:GS1 General Specifications Version 13.1、Figure 2.1.2.6.1 - 2、p45)
各産業のGS1-128標準化とAI(アプリケーション識別子)
日本ではいくつかの産業がバーコードにGS1-128を採用し、それぞれの産業団体などがGS1-128に表示する内容の標準化を推進しています。GS1-128に使用するAIは、それぞれの産業で異なっています。主な事例は下記の通りです。
医療用医薬品のGS1-128
医療用医薬品は元梱包装単位にGS1-128を使用します。
厚生労働省の通知により、医療用医薬品でのGS1-128およびGS1データバーの標準化が進められています。医療用医薬品ではバーコードを表示する包装の区分を調剤包装単位、販売包装単位、元梱包装単位の3つの単位で分けており、元梱包装単位(もっとも大きな箱)にGS1-128を使用します。
メモ GS1-128を表示した箱に入れる中身(調剤包装単位、販売包装単位)には「GS1データバー」を使用します。
例図
AI | 固定長/可変長 | 使用キャラクタ | 桁数 | 意味 | 説明 |
---|---|---|---|---|---|
01 | 固定長 | 数字 | 14桁 | 商品コード | "梱包インディケータ(1桁)"+ "JAN-13の1~12桁目"+"チェックデジット(1桁)*" *チェックデジットは梱包インディケータ+12桁の計13桁をモジュラス10ウェイト3で算出した値となるため、JAN-13のチェックデジットと異なります。 |
17 又は7003 |
固定長(注) | 数字 | 17のとき6桁 | 有効期限 (年月日) |
YYMMDD形式で表示する。 |
7003のとき10桁 | 有効期限 (年月日時分) |
YYMMDDhhmm形式で表示する。 メモを参照 |
|||
30 | 可変長 | 数字 | 1~8桁 | 数量 |
医療用医薬品では数量の後にロットナンバーなど文字が続くため数量データの後に可変長データ区切りのFNC1を置きます |
10 又は21 |
可変長 | 数字、アルファベット | 10のとき1~20桁 | ロットナンバー(製造記号) | 任意の英数。 |
21のとき1~20桁 | シリアルナンバー(製造番号) | 任意の英数。 |
メモ AI(7003)について
AI(7003)に続くデータは10桁の固定長ですが、後にAIおよびデータが続く場合、年月日時分の終端に可変長データを区切るためのキャラクタであるFNC1を付けます。
イメージ図:
(01)商品コード(7003)1401311400<FNC1>(30)数量<FNC1>(10)ロット
AI(7003)についての参考文献:GS1 General Specifications Version 13.1 5.10.1. The Basic Structure of GS1 Bar Codes using GS1 Application Identifiers and Concatenationpage 367~369 Figure A1 – 2.,Note
医療機器のGS1-128
医療機器(医療材料)では個装表示、中箱、外箱それぞれにGS1-128を使用します。
例図
AI | 固定長/可変長 | 使用キャラクタ | 桁数 | 意味 | 説明 |
---|---|---|---|---|---|
01 | 固定長 | 数字 | 14桁 | 商品コード | "梱包インディケータ(1桁)"+ "JAN-13の1~12桁目"+"チェックデジット(1桁)*" *チェックデジットは梱包インディケータ+12桁の計13桁をモジュラス10ウェイト3で算出した値となるため、JAN-13のチェックデジットと異なります。 |
17 | 固定長(注) | 数字 | 6桁 | 有効期限 (年月日) |
YYMMDD形式で表示する。 |
10 又は21 |
可変長 | 数字、アルファベット | 10のとき1~20桁 | ロットナンバー(製造記号) | 任意の英数。 |
21のとき1~20桁 | シリアルナンバー(製造番号) | 任意の英数。 |
メモ 医療機器での数量を示すAI(30)について
標準化が進む前は、医療機器のバーコードには数量を示すAI(30)が使用されていましたが、2008年(平成20年)の厚生労働省の通知「医療機器等へのバーコード表示の実施について」では、数量のAI(30)について記載がありませんでした。通知を受けて2009年に日本医療機器産業連合会が作成した「医療機器等の標準コード運用マニュアル」では、梱包ごとに入っている数量が都度違う場合は、AI01の"PI(梱包インディケータ)1桁"を「9」にし、AI30とともに数量、データが続く場合はFNC1を付けることとしています。※数量がいつも同じであれば数量のAI(30)を表示しません。
食肉(牛肉)のGS1-128
「基本バーコード」と「補助バーコード」を使用します。
農林水産省の主導の元、牛の固体識別(ドレーサビリティ)を目的とした「食肉標準物流バーコード」の標準化がすすめられ、GS1-128が使用されています。基本バーコードと補助バーコードがあります。補助バーコードの表示は任意で、表示するAIは任意で選択し、データ桁数は全体で48桁以内にします。
例図 食肉標準物流バーコード「基本バーコード」
AI | 固定長/可変長 | 使用キャラクタ | 桁数 | 意味 | 説明 |
---|---|---|---|---|---|
01 | 固定長 | 数字 | 14桁 | 商品コード | "梱包インディケータ(1桁)※"+ "JAN-13の1~12桁目"+"チェックデジット(1桁)*" *チェックデジットは梱包インディケータ+12桁の計13桁をモジュラス10ウェイト3で算出した値となるため、JAN-13のチェックデジットと異なります。 ※梱包インディケータは計量商品である食肉の場合、常に"9"です。 |
3102 | 固定長 | 数字 | 6桁 | 重量 | 小数点以下2桁のキログラム表示。(3102)00120なら1.20Kg。 ※輸入品の場合、ポンド表示のAI(3202)の場合あり。 |
11 | 固定長 | 数字 | 6桁 | 製造年月日 |
部分肉を製造した年月日。年月日を"YYMMDD"で表示。 |
21 | 可変長 | 数字※ | 1~12桁※ | カートンID | カートン単位に加工元が設定する連続番号。 ※GS1の規格ではアルファベットも使用でき、桁数は最大20桁ですが、「食肉物流標準バーコード 導入・利用マニュアル」では左記のようになっています。 |
例図 食肉標準物流バーコード「補助バーコード」
AI | 固定長/可変長 | 使用キャラクタ | 桁数 | 意味 | 説明 |
---|---|---|---|---|---|
10 | 可変長 | 数字 | 1~20桁 | ロット番号 | ※GS1の規格ではアルファベットも使用できます。 |
7002 | 可変長 | 数字 | 1~30桁 | 枝肉番号・カット規格番号 | 枝肉番号およびカット規格番号 |
251 | 固定長 ※GS1の規格は可変長 |
数字 | 10桁※ | 固体識別番号 |
独立行政法人家畜改良センターが付番管理する個体識別番号(耳標番号)を表示 ※GS1の規格では可変長で最大30桁。データが続く場合は区切りキャラクタのFNC1を付ける。 |
240 | 可変長 | 数字 | 1~30桁 | カット規格番号 | メーカーが設定するカット規格番号(標準品名の部位以外) |
コンビニエンスストアの料金収納代行の支払い伝票のGS1-128
AIの91を含め44桁固定長です。
例図 料金収納代行の支払い伝票のGS1-128
AI | 固定長/可変長 | 使用キャラクタ | 桁数 | 意味 | 説明 |
---|---|---|---|---|---|
91 | 固定長 (※GS1の仕様では可変長) |
数字 | 42桁(※GS1の仕様では最大30桁) | 企業の内部使用データ | 料金収納代行ではAI"91"(2桁)+"データキャラクタ"(42桁)の合計44桁となります。目視文字の"-"(ハイフン)はバーとスペースのパターンには含まれていません。 |
リンク
- 医薬品・医療機器等安全性情報|厚生労働省 参考資料「2013年1月30日 医薬品・医療機器等安全性情報298号(全体版) 」
- 医療材料GS1-128システム | データキャリア(バーコード)│流通システム標準│ 一般財団法人流通システム開発センター
- (公財)食流機構/トップページ (公益財団法人食品流通構造改善促進機構)
- 普及・啓発資料(食流機構内のページ) 参考資料「食肉標準物流バーコード導入・利用マニュアル」
- 公共料金等代理収納GS1-128(旧:UCC/EAN-128)システム│その他流通システム標準 | 流通システム標準│ 一般財団法人流通システム開発センター
- GS1 General Specifications GS1総合仕様書。