バーコードリーダーの種類と特徴
バーコードリーダーとは
バーコードリーダーとは、バーコードを光学的に検知しバー(黒)とスペース(白)を解析して、上位端末(コンピュータなど)が識別可能な電気信号あるいはキャラクタ(文字)に変換する装置です。バーコードリーダーは光学部品、使い方、形状などから複数の種類があります。なお、海外ではBarcodeScanner(バーコードスキャナー)という名称が一般的で、国内ではバーコードリーダーと呼ばることが多いようです。
バーコードペンリーダー
特徴
- 小型で場所をとらない
- 手動読み取り(バーコードをなぞる)
- 使用に慣れが必要。
- 卓上で平面のバーコードの読み取りに使用する
バーコードペンリーダーは、本体の形状がペン型であることからこのように呼ばれています。利点は小型で場所をとらないことと、低消費電流であることです。一方、使用者によって読み取り角度や速度が変わるため、読み取り率に差が生じます。また、円筒や、やわらかい素材に対しては走査が困難です。
原理
本体の先端に光源の赤色LED(発光ダイオード)があり、バーコードを照射します。リーダーを手に持ち、先端でバーコードの端から端までをなぞるように走査することで読み取ります。反射光が内部に到達し、レンズによって集光され、光センサー(フォトダイオードなど)に到達します。光センサーは光を電気信号に変換します。電気信号が集積回路によって処理され、デジタルデータのキャラクタに変換されます。キャラクタはインターフェース(入出力)回路を通じ、ケーブルなどを経由して上位端末(パソコン)に出力されます。
CCDタッチバーコードリーダー
特徴
- バーコードにタッチ(接触)して読み取る
- 誰でも簡単に操作できる
- 読取窓の幅より短いバーコードを読む。(製品による)
- 液晶画面のバーコードを読む(当社CM-890にて。以前の製品は非対応)
CCDタッチバーコードリーダーは、部品である受光センサーの「CCD」とバーコードに「タッチ(接触)」する使い方からこのように呼ばれています。海外ではCCDリニアバーコードスキャナやコンタクトCCDバーコードスキャナとも呼ばれます。
特徴は誰でも簡単に操作できて、誰でも同じ読み取り結果を得られることです。理由はリーダーをバーコードにあてる操作から先の処理はリーダーが自動で行うためです。一方、長距離の読み取りや、大きなバーコードを読み取りできないので、目的のバーコードに適切かを確認する必要があります。※製品によってはバーコードから離すことで大きなバーコードを読みます。当社CM-890など。
原理
CCDタッチバーコードリーダーは読み取り窓の内側に光源の赤色LED(発光ダイオード)があり、バーコードを照射します。読み取り窓をバーコードにあてることで、反射光が内部に到達し、ミラー(反射鏡)によって屈折後、レンズによって集光され、CCDセンサーに到達します。CCDセンサーは光を電気信号に変換します。電気信号が集積回路によって処理され、デジタルデータのキャラクタに変換されます。キャラクタはインターフェース(入出力)回路を通じ、ケーブルなどを経由して上位端末(パソコン)に出力されます。
ロングレンジCCDバーコードリーダー
特徴
- バーコードから数センチ~20cmほど離して読む
- 誰でも簡単に操作できる
- 短いバーコードも、長いバーコードも読む。
- 光学部に可動部がなく長寿命
- 液晶画面のバーコードを読む(当社1300g、CM-520W1にて)
ロングレンジCCDバーコードリーダーは、部品である受光センサーの「CCD」と、広範囲(ロングレンジ、LongRange)な読み取りを実現する使い方からこのように呼ばれています。ロングレンジCCDスキャナなどとも呼ばれます。ロングレンジCCDバーコードリーダーはLEDによる赤い光をバーコードに投光して読み取ります。
利点は(1)バーコードを長距離で読み取ること、(2)CCDタッチバーコードリーダーでは読めない幅の長いバーコードを読み取ること、(3)可動部品が無く耐衝撃性に優れていることです。CCDタッチバーコードリーダーにくらべて遠方に読み取り焦点を置いた設計のため、10~20cm離して読み取りができます。逆に、読み取り窓に完全にバーコードを接触させると焦点があわず読み取りません。※当社製品はバーコードから数センチ離した位置から読み取ります。
原理
ロングレンジCCDバーコードリーダーの読み取り原理はCCDタッチバーコードリーダーとほぼ同じです。図のようにガン、ピストル(銃)のような形状の製品では、読み取り窓のすぐ隣に光学部品が搭載されており、読み取り窓から直進での光源の投光と反射光の受光をおこないます。
主な製品
レーザーバーコードリーダー
特徴
- バーコードから数センチ~20cmほど離して読む。
- 誰でも簡単に操作できる
- 短いバーコードも、長いバーコードも読む。
- バーコードに投光する赤い線(レーザー)が細くて鮮明
- 光学部に可動部がある
レーザーバーコードリーダーは、光源部品の可視光半導体レーザーからこのように呼ばれています。レーザー式バーコードリーダー、レーザースキャナなどとも呼ばれます。赤いレーザー光をバーコードに投光して読み取ります。
特徴は(1)バーコードを長距離で読み取ること、(2)幅の長いバーコードを読み取ること、(3)レーザー部品の小型化が進み、リーダー本体も小型化しやすいことです。レーザースキャナは遠方に読み取り焦点を置いた設計のため、10~20cm離して読み取りができます。逆に、読み取り窓に完全にバーコードを接触させると焦点があわず読み取りません。※当社製品はバーコードから数センチ離した位置から読み取ります。
原理
バーコードレーザースキャナは読み取り窓の内側に光源のレーザーダイオードがあり、バーコードに照射します。レーザーは直進する光のため、電磁石などにより往復振動する鏡(ガルバノミラー)によって水平方向に往復して移動するように反射され、読み取り窓から投光します。投光したレーザーをバーコードにあてることで、反射光が内部に到達し、レンズによって集光され、光センサー(フォトダイオードなど)に到達します。センサーから先の処理はCCDタッチバーコードリーダーと同等の説明です。
2次元バーコードリーダー
特徴
- 2次元バーコードと1次元バーコードを読む
- 2次元、1次元ともどの方向でも読む
- バーコードから数センチ~20cmほど離して読む。
- 誰でも簡単に操作できる
- 短いバーコードも、長いバーコードも読む。
- 光学部に可動部がない(当社製品にて)
- 液晶画面のバーコードを読む(当社製品にて)
2次元バーコードリーダーは、2次元バーコードを読み取る仕様からこのように呼ばれています。2次元バーコードスキャナ、2Dスキャナ、2Dイメージャーなどとも呼ばれます。読み取り照準光をバーコードに投光して読み取ります。
利点は(1)2次元バーコードと1次元バーコードの両方を読み取ること、(2)2次元バーコードと1次元バーコードを横方向や斜めなど、どの方向からも読み取ること、(3)可動部品がなく長寿命なことです。
原理
基本的な原理はCCDタッチバーコードリーダーやロングレンジCCDバーコードリーダーと同等です。受光センサーは縦方向と横方向で検知できる画像センサー(CMOSなど)を使用しています。これにより対象のバーコードを水平方向の直線ではなく面として撮像することが可能になり、縦と横に情報をもつ2次元バーコード(例えばQRコード、Datamatrix)を認識することができます。
主な製品