JANコードの詳細
改訂版:2017/7/11
JANコードの概要
読み方
- JAN:ジャン
- JAN-13:ジャンジュウサン
- JAN-8:ジャンハチ
- (関連)EAN:イアン
- (関連)UPC:ユーピーシー
JANコード(EAN)の規格
- JIS X 0507:2004 バーコードシンボル-EAN/UPC-基本仕様ー
ISO/IEC 15420:2000 JISC 日本工業標準調査会 - ISO/IEC15420:2009 Information technology - Automatic identification and data capture techniques - EAN/UPC bar code symbology specification (海外) https://www.iso.org/
- 関連 GS1 General Specifications (海外。GS1総合仕様書)http://www.gs1.org/genspecs
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概要
JAN(ジャン)はJapan Article Numberの略称で、一次元バーコードのひとつ。1978年、日本では商品流通コードの統一を目的に、国際商品コードEAN(イアン、Europian Article Number)を採用し、標準化・規格化されました。日本国内では先頭が45又は49のEANをJANと呼んでいます。JANは企業内での通称として「商品コード」「POSバーコード」などとも呼ばれています。なお、EANはアメリカの商品コードUPCを元に開発されたバーコードです。
UPC/EAN/JAN 年表
年 | 記 |
---|---|
1969年 | (海外)IBM社がDelta Code A, Delata Code Bを開発 |
1971年 | (海外)IBM社がDelta Distance C Optical Bar Codeを開発 |
1973年 | (海外)UGPCC(Uniform Grocery Product Code Council)が Delta Distance C Optical Bar Codeを元としたバーコードUPCを発表 |
1977年 | (海外)Europian Article Number Assosiationが設立、 UPCを元にしたバーコードEANを発表 |
1978年 | 日本は商品バーコードにEANを採用、日本工業規格JIS B 9550 共通商品コード用バーコードシンボルが制定。 国コード(フラグ、先頭2桁)を49としたEANがJANと呼ばれる。 |
1985年 | JIS B 9550がJIS X 0501 共通商品コード用バーコードシンボル に変更。 |
1995年 | 日本の国コードに45が追加される。 |
2000年 | (国際)ISO/IEC15420:2000 Information technology - Automatic identification and data capture techniques - EAN/UPC bar code symbology specificationが制定 |
2001年 | 新規取得するJANの桁の内訳が変更。 旧:JAN企業コード7桁(国2桁+メーカー5桁)+アイテムコード5桁+チェックデジット1桁 新:JAN企業コード9桁(国2桁+メーカー7桁)+アイテムコード3桁+チェックデジット1桁 |
2004年 | JIS X 0507:2004 バーコードシンボル-EAN/UPC-基本仕様 が制定。 |
2005年 | (国際)ベルギーにGS1(国際的な流通の標準化機構)本部が設立。 Grobal Trade Item Number(商品識別コード)のうちGTIN-13に使用できるバーコードをEAN-13とする。 |
2009年 | JIS X 0501廃止(JIS X 0507がJIS X 0501の内容を包括するため) (国際)ISO/IEC15420:2009 改訂 |
2012年 | JAN企業コード(メーカーコード)がGS1事業者コードに改称される。 |
2015年 | 厚生労働省の通知により医療用医薬品のJANコード及びITFコードの表示が終了。 GS1データバー及びGS1-128に変わる。 ※一般用医薬品はJANが使用される |
JAN-13 13桁の表示内容
2000年以前
- 1~7桁目:GS1事業者コード(JAN企業コード)
- 8~12桁目:商品アイテムコード(5桁)
- 13桁目:チェックデジット
2001年以後の申請分
- 1~9桁目:GS1事業者コード(JAN企業コード)
- 10~12桁目:商品アイテムコード(3桁)
- 13桁目:チェックデジット
※先頭の7桁(9桁)の「JAN企業コード」(メーカーコード)は2012年に「GS1事業者コード」に改称されました。
※従来、先頭の2桁が国コードで、45と49が日本という意味でしたが、現在は先頭3桁450~459、490~499が日本の事業者、という意味になります(参考:GS1 General Specifications V17)
JAN/EANバーコードシンボルの特徴
- エンコード(符号化)可能なキャラクタ:0~9の数字 (数字はISO/IEC646にて規定)
- シンボルタイプ:連続型(Continuous、コンティニュアス)。連続型とは複数のキャラクタの間にキャラクタの区切りとなるスペースが無くキャラクタが連なっているバーコードシンボルです。
- キャラクタ密度:0~9を表示する1個のキャラクタにつき7モジュール。モージュールとはバーコードを示すための最小構成単位である一番細い1本のバーのこと。モジュールは黒(暗)または白(明)で表示する。
- 0~9を表示する1個のキャラクタのエレメント(要素)には黒バー(暗)が2つ、白バー(明)が2つある。黒バー、白バーとも4種類の幅がある。4種類の幅はモジュール1本分、2本分、3本分、4本分で表示する。
- 桁数:13桁固定(JAN-13)と8桁固定(JAN-8) ※UPC-Aは12桁固定、UPC-Eは8桁固定
※このページはJAN-13のみ説明しています - チェックデジット:必要。最終1桁がチェックデジット。計算方法はモジュラス10ウェイト3。
JAN-13なら1~12桁目をモジュラス10ウェイト3という計算方法で算出した数がチェックデジットとして13桁目に付きます。 - 目視文字(ヒューマンリーダブル):OCR-Bを使用。
JAN-13/EAN-13のパターンとモジュール
左から右に向かって次のように構成します。長さ(mm)はモジュール幅0.33mmのとき。
レフト クワイエットゾーン |
レフトガードバー | 左の6キャラクタ (ナンバーセットA,B) |
センターガードバー | 右の6キャラクタ (ナンバーセットC) |
ライトガードバー | ライト クワイエットゾーン |
---|---|---|---|---|---|---|
11モジュール | 3モジュール | 42モジュール (7モジュールx6) |
5モジュール | 42モジュール (7モジュールx6) |
3モジュール | 7モジュール |
(3.63mm) | 95モジュール(31.35mm、左右のクワイエットゾーンを除く) | (2.31mm) | ||||
113モジュール(37.29mm、左右のクワイエットゾーンを含む) |
左右のクワイエットゾーンを除く合計モジュール数は95。左右のクワイエットゾーンを含む合計モジュール数は113。
JAN-13/EAN-13の寸法
- 1モジュールの幅:0.33mm
- 左右のクワイエットゾーンを除く幅:31.35mm(0.33mm x 95モジュール)
- クワイエットゾーンを含めた幅:37.29mm(0.33mm x 113モジュール)
- 高さ(キャラクタのパターンのバー):22.85mm
- 縮小と拡大:0.8倍~2.0倍まで
表 キャラクタのパターン
左6桁、右6桁の数字キャラクタのパターン。黒(暗)のモジュールを1、白(明)のモジュールを0と表現します。7モジュールのうち、黒(暗、1)のモジュールの個数が奇数なら奇数パリティ、偶数なら偶数パリティと呼びます。例:ナンバーセットAのキャラクタ5のパターンは0110001です。1が3個あり、3は奇数のため奇数パリティです。
キャラクタ | ナンバーセットA センターガードバーの左側 (奇数パリティ) |
ナンバーセットB センターガードバーの左側 (偶数パリティ) |
ナンバーセットC センターガードバーの右側 (偶数パリティ) |
---|---|---|---|
0 | 0001101 |
0100111 |
1110010 |
1 | 0011001 |
0110011 |
1100110 |
2 | 0010011 |
0011011 |
1101100 |
3 | 0111101 |
0100001 |
1000010 |
4 | 0100011 |
0011101 |
1011100 |
5 | 0110001 |
0111001 |
1001110 |
6 | 0101111 |
0000101 |
1010000 |
7 | 0111011 |
0010001 |
1000100 |
8 | 0110111 |
0001001 |
1001000 |
9 | 0001011 |
0010111 |
1110100 |
別表 キャラクタのパターン(エレメントの幅)
意味は上記の表と同じです。キャラクタのエレメント(2つの黒バー(B)と2つの白バー(S))の幅を1、2、3、4とあらわす表です。例:4はモジュール4本分(1111又は0000)の意味。
キャラクタ | ナンバーセットA センターガードバーの左側 (奇数パリティ) |
ナンバーセットB センターガードバーの左側 (偶数パリティ) |
ナンバーセットC センターガードバーの右側 (偶数パリティ) |
|||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
S | B | S | B | S | B | S | B | B | S | B | S | |
0 | 3 | 2 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 3 | 3 | 2 | 1 | 1 |
1 | 2 | 2 | 2 | 1 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 |
2 | 2 | 1 | 2 | 2 | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 |
3 | 1 | 4 | 1 | 1 | 1 | 1 | 4 | 1 | 1 | 4 | 1 | 1 |
4 | 1 | 1 | 3 | 2 | 2 | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 | 3 | 2 |
5 | 1 | 2 | 3 | 1 | 1 | 3 | 2 | 1 | 1 | 2 | 3 | 1 |
6 | 1 | 1 | 1 | 4 | 4 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 4 |
7 | 1 | 3 | 1 | 2 | 2 | 1 | 3 | 1 | 1 | 3 | 1 | 2 |
8 | 1 | 2 | 1 | 3 | 3 | 1 | 2 | 1 | 1 | 2 | 1 | 3 |
9 | 3 | 1 | 1 | 2 | 2 | 1 | 1 | 3 | 3 | 1 | 1 | 2 |
表 ガードバーのパターン
ガードバー | パターン |
---|---|
ノーマルガードバー(レフトガードバー、ライトガードバー) | 101 |
センターガードバー | 01010 |
表 1桁目と左6桁のナンバーセット
EAN-13/JAN-13のバーのパターンが表示する桁数は、合計12桁しかありません(左側6桁、右側6桁)。13桁の数字の、2桁目から13桁目までを表示します。1桁目はリーディングディジット(Leading Digit、暗示的に導き出される先頭けた)と呼ばれます。リーディングディジットは左側6桁のナンバーセットA(奇数パリティ)、ナンバーセットB(偶数パリティ)の並べ方によって決まります。バーコードリーダーは通常、左側6桁をのナンバーセットの並び方を識別して先頭1桁目を追加し、13桁としてパソコンに送信しています。
例:13桁の数字「4512345678906」をバーコード化するとき、1桁目を「4」とするするには、左側6桁のナンバーセットを「ABAABB」とします。2桁目「5」はナンバーセットA(奇数パリティ)の5を表示し、3桁目「1」はナンバーセットB(偶数パリティ)の1を表示します。
(*)1桁目の数字「0」はGTIN-12(UPC-Aなど)の為に使用します
リーディングディジット (暗示的に導き出された先頭桁) |
左側6桁のナンバーセットAとBの並び方 ※1は13桁の2桁目のキャラクタ、2は3桁目、・・・ |
|||||
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
0(*) | A | A | A | A | A | A |
1 | A | A | B | A | B | B |
2 | A | A | B | B | A | B |
3 | A | A | B | B | B | A |
4 | A | B | A | A | B | B |
5 | A | B | B | A | A | B |
6 | A | B | B | B | A | A |
7 | A | B | A | B | A | B |
8 | A | B | A | B | B | A |
9 | A | B | B | A | B | A |
JANを作成、印刷するときの注意
13桁目のチェックデジットに注意
13桁目に任意の数値を割り振ることはできません。JAN-13の13桁目はチェックデジットです。チェックデジットは1~12桁目のキャラクタを計算した上で算出される値です。13桁目に誤った数値を表示するとバーコードリーダーは読み取りません。
JAN-13の1桁目を0(ゼロ)にするとUPC-Aになります
社内用バーコードとしてJAN-13が使用されることがありますが、1桁目が「0(ゼロ)」のJAN-13を作成・印刷すると、バーコードリーダーはアメリカの商品コードUPC-Aとして読み取り、1桁目の0がない「12桁」をパソコンに入力します。13桁として読み取る場合、バーコードリーダーにUPC-Aの先頭に0を追加して13桁で読み込ませる設定が必要です。
原因はJAN-13の1桁目を0にするとUPCと同じバーのパターンになるためです。
*** 以下、ご興味があれば ***
UPC-Aのキャラクタのパターンは、EAN/JANのナンバーセットAとおよびナンバーセットCと同一です。(GS1の仕様書ではUPCとEANは同じ1つの表でパターンが説明されています)。UPC-Aの左側6桁はナンバーセットA(奇数パリティ)のみを使用します。UPC-Aの左側6桁は、どんなデータでもすべて奇数パリティ(AAAAAA)、右側はすべて偶数パリティです。
JAN-13の1桁目を0で作成すると左側6桁はすべて奇数パリティ(AAAAAA)、右側はすべて偶数パリティとなり、UPC-Aと同じパターンになります。バーコード作成ソフトなどがバーコードの下に13桁の目視文字を表示・印字したとしても、バーのパターンは12桁のUPC-Aになっています。そのためバーコードリーダーは「1桁目が0のJAN-13」を読み取るとUPC-Aと識別し12桁で読み取ります。
13桁で読み込むバーコードリーダーがある場合、UPC-Aを13桁で読み込む設定がされていると思われます。
表 UPC-Aのキャラクタのパターン
キャラクタ | センターガードバーより左側のキャラクタ 奇数パリティ (EAN/JANのナンバーセットAと同じ) |
センターガードバーの右側のキャラクタ 偶数パリティ (EAN/JANのナンバーセットCと同じ) |
---|---|---|
0 | 0001101 | 1110010 |
1 | 0011001 | 1100110 |
2 | 0010011 | 1101100 |
3 | 0111101 | 1000010 |
4 | 0100011 | 1011100 |
5 | 0110001 | 1001110 |
6 | 0101111 | 1010000 |
7 | 0111011 | 1000100 |
8 | 0110111 | 1001000 |
9 | 0001011 | 1110100 |